【沖井の冬楽曲解説 その1】シンバルズ「Winter Day Song」
マネージャー氏:楽曲解説の連投、いいですね
沖井:ありがとうございます
マネージャー氏:ところで沖井さん冬好きですよね
沖井:はい
マネージャー氏:季節柄ちょうどいいので、沖井さんが今まで作ってきた冬楽曲の解説をやりましょう、この調子で
沖井:はい
というわけで今日から沖井が過去に作ってきた「冬楽曲」について一曲づつよもやま話をしていきます。今回はシンバルズの2ndミニアルバム『Missile & Chocolate』から「Winter day Song」のお話を。
https://www.youtube.com/watch?v=kf-hL-apedo
1998年12月15日にリリースされたシンバルズの2ndミニアルバム『Missile & Chocolate』ですが、「Winter Day Song」を作曲したのはまだ1stミニアルバム『NEAT, or CYMBAL!』の制作前、97年の夏でした。楽曲的には気に入っていたのですが、1stのリリースが春になったことでこの曲の録音を見送ったのでした。また、このバンドでミディアムテンポの16ビート楽曲を演るべきかどうか迷っていた、というのもあります。この頃の日本のポップスはシェイクした16ビートが主流の中、わざとシャッフルやアップテンポの8ビートを前面に打ち出そうとしているシンバルズにはこの曲は似つかわしくないのでないかと当時の僕は思ったんでしょうね。
そんな逡巡の後、同年12月にリリースされた『Missile & Chocolate』では、これが冬のホーム・パーティをイメージしたアルバムだったこともあり、ラスト・ナンバーとして収録されました。阿鼻叫喚の宴の後の静けさを表現するにはぴったりだ、と僕は考えたのでしょう。
僕にしては珍しくアコギがメインの曲です。友人から借りた60年代製のGibson J-50がとても弾きやすく、良い音でした。今まで弾いたアコギではあれが一番好きだなあ。また貸してもらおう。
間奏パートではにしのちなみさんの弾くオルガンに合わせてyes, mama ok?の金剛地武志さんが「White Christmas」のメロディを歌ってくれています。豪華ですね!yes, mama ok?が同じLD&Kレーベルの先輩アーティストだったことで、いかにもあの頃のインディーズっぽいこのコラボが実現しました。レーベルメイトっていいですね。ちなみに西野さんのオルガン、ヴィンテージのKORG CX-3でしたが、この録音中に「音量が安定しない」というトラブルが起き、しばらくするとそのまま全く音が出なくなりました。なのでこの曲はあの個体による最後の録音物ということになります。
この曲で使用したベースは米Dan Armstrong社’69年製のLucite Bassですが、この楽器で録音したのは現時点でこれが唯一のものになります。弾きやすくてかっこいい(なにしろガラスみたいに透明だ!)んですが、ちょっと音抜けが悪いんですよねえ…。そういう意味でも貴重な作品かもしれません。
ちなみにこの曲はアルバムからの先行カセットシングルとして1998年11月25日にリリースされています。アルバム『Missile & Chocolate』では前曲「My Brave Face」のエンディングとクロスフェイドになっているので、イントロのアコギから単独で聴けるのはこのカセットシングルのみになります。持っている人は貴重な音源なので大事にしてくださいね。
僕が初めて書いた「冬楽曲」です。今聴き直すと稚拙なところもあちこちに見受けられますが、それでも胸を張れる出来と思います。僕の楽曲をあまり褒めてくれることのなかった土岐麻子さんですが笑、02:35~02:41あたりの雰囲気をとても気に入っていると言ってくれたのは嬉しかった。僕もそのあたりとても気に入っているので。まあ今彼女にそんな話をしても「そーんなこと言いましたっけ?言ってない言ってない絶対言ってないw。沖井さん夢でも見たんじゃありませんかw?きっと夢ですよしっかりしてくださいwww」などと言われそうですが。
沖井
